上のほうは一般およびコレクター向け,下にいくほど専門性が高くなる.
沢山の写真とともにこれだけの資料が日本語で読めるのは僥倖だ.蛍光鉱物に興味がある全ての方にお薦めしたい.
蛍光鉱物コレクターである著者が,世界の蛍光鉱物を膨大な数の写真とともに紹介している.寝転びながら楽しめる写真集だ.蛍光鉱物は鉱物学,地球科学,物理学,化学,視覚,鉱山史等の様々な観点から興味深いが,根源的な楽しみはこの写真集に集約されていると思う.英語なんて読めなくても構わない.ソファに寝転がって,美しい写真をただ眺めよう.
2022 年 1 月,Vandall T. King 氏らがニュージャージーの蛍光鉱物について三部作のビジュアルガイド(限定 1,000 セット)を出版して話題になった.実際に彼から入手してみたところ,重さ 8 kg 超の大著で,9 年の歳月と 6
台のカメラを犠牲にして撮影・厳選された 4,000 枚以上の写真と書き込まれた解説が圧巻だった.キッチンに堆く積み上がった在庫の六割がひと月で売れたという.
T. S. WARREN といえば紫外線ランプを販売する ULTRA-VIOLET
PRODUCTS 社の創業者で,蛍光鉱物収集の父だ(*1).1946 年にはニュージャージー州に足を運び,50,000 ポンドから 60,000 ポンドにも及ぶ蛍光鉱物を鉱夫たちから買い付けて,骨折ってカリフォルニアに運んだと述懐している.スターリングヒルには彼の名前を冠した蛍光鉱物の展示がある.蛍光鉱物収集について本書は手際よく紹介している.ちなみに僕の本は二人の著者のサイン入りだ(アマゾンで買ったら著者からの直接購入だったらしく,勝手にサインがついてきた).
上の本と同じ目的で書かれた本だろう.未読.
フランクリン鉱山およびスターリングヒル鉱山の蛍光鉱物を紹介している.未読.
紫外線や蛍光の物理,紫外線ランプの選択,蛍光鉱物収集の歴史と方法,各産地の鉱物の種類と蛍光など,蛍光鉱物コレクターなら誰もが関心を持つだろう情報をまとめている.量子力学について首をかしげる記述や混乱も散見されるが,それもご愛敬だ.
鉱物の蛍光について理論的背景を概観した後,膨大な数の蛍光鉱物のスペクトルをアクチベータとともに整理している.蛍光鉱物のデータベース ONLINE DATABASE OF LUMINESCENT MINERALS も,この本を参考にしている.
M. GAFT の本と同じ目的で書かれた本だろう.未読.
蛍光分光法だけでなく,メスバウアー,X 線,NMR
等の各種分光法による鉱物の構造解析を解説している.
蛍光鉱物が光るメカニズムを詳解している.